伝統園芸の世界「サクラソウ美術館」スタート!
百合が原緑のセンター中温室では、日本原産のサクラソウと、ヨーロッパで品種改良されたサクラソウの仲間、プリムラ・オーリキュラを、18~19世紀に流行した伝統ある飾り方で観賞していただける、「サクラソウ美術館」が開催中です。
〈桜草花壇展示〉
サクラソウは、日本に自生するサクラソウ科サクラソウ属の多年草です。
名前に‘サクラ’が入り、サクラに似た花をつける、
春の代名詞として名高いサクラソウは、
花の色や形が変異しやすい性質をもつため、
江戸時代を中心に、庶民の間で珍しい特徴的な新品種を、
競って作出しました。
「桜草花壇(さくらそうかだん)」という、
よしずで背景を覆い、花を段飾りで引き立てる飾り方が考案されており、
当時の流行熱が伝わってくるようです。
サクラソウ50鉢50品種を展示しています。
期間中に花が上がる品種を追加で展示します。
総数100鉢以上を
お楽しみいただける予定です。
百合が原公園初登場の品種をご紹介します。
〈鬼ごっこ〉
深い紅色で、細かい切れ込みの入った花弁が特徴的な八重咲き品種。
〈白蜻蛉〉
うっすらと紅色を帯びた小輪の白花が多く咲く。一重咲き。
英国を中心に品種改良されたサクラソウの仲間、
プリムラ・オーリキュラを、18~19世紀に考案された、
伝統的な展示方法、「ショウステージ」と「額飾り」で、
ご紹介しています。
〈ショウステージ〉
〈額飾り〉
英国で北部工業地帯の労働者を中心に、
競うように新品種が作られ、
円環の整った幾何学的な花姿、独特のはっきりした色合いなどが、
高級なアート作品として引き立つような、
飾り方が考案されました。
「プリムラの宝石」とも呼ばれるプリムラ・オーリキュラは、
花弁の縁・中央の色合いの違いなどで分類分けされており、
日本人とは違う感性で作出された芸術といえます。
〈プリムラ・オーリキュラ‘オーブ’〉
花弁の縁がグリーンで端正な円形の一重咲き品種。
〈プリムラ・オーリキュラ‘ロックサンド’〉
明るい黄色が特徴的な品種。1982年作出。
32品種32鉢を展示しています。
花上がりの良い銘品は、ほかでは見ることができません。
ほかにも、プリムラの最新品種を展示しています。
バラ咲きのプリムラ・ジュリアナなど、
可愛らしいお菓子のようです。
サクラソウとプリムラ・オーリキュラなどのサクラソウの仲間を
歴史とともにご紹介する「サクラソウ美術館」は、
5月10日(日)まで開催します。
ぜひ足をお運びください!
=サクラソウ美術館~日本や欧米のサクラソウの展示=
開催期間:平成27年4月21日(火)~5月10日(日)
開催時間:8:45~17:15
開催場所:百合が原緑のセンター中温室
温室入館料:高校生以上130円 ※ただし、65歳以上の方、障がいのある方は証明書等の提示で無料