貴婦人の耳飾と聖母のユリ
今日から中温室で「フクシア展」が始まりました。
期間は6/22(火)~7/25(日)
会場では常時40種類、期間中約70種類約100鉢と紹介パネルを展示します。
フクシアはアカバナ科フクシア属の植物で、西インド諸島からメキシコ、中南米、
ニュージーランド、オーストラリア南部にかけて約100種の原種が自生しています。
暖かい地域とはいえ、多くの原種は高地に自生するため、夏の暑さを嫌います。
高温多湿の本州では夏越しが難しい植物ですが、
北海道の冷涼な気候はフクシアにとって過ごしやすい環境にある為、秋まで咲き続けます。
基本的に非耐寒性なので屋外での越冬は出来ませんが、
原種のマゲラニカ(F.magellanica)は路地植えにして積雪の下で過ごさせると、
地上部は枯れますが屋外での越冬が可能です。
ドレスを着たお人形の様にも見える華やかな花姿から、
英名では「Lady’s eardrops(貴婦人のイヤリング)」と呼ばれます。
日本では釣に使う浮きを連想して「釣浮草(つりうきそう)」という別名があります。
百合が原公園自慢のコレクションの一つ、
多種多様で色鮮やかなフクシアを北海道で一堂に見られるのは百合が原公園だけです!
又、大温室では百合が原公園で種から育てた原種のユリを展示しています!!
マドンナリリー カスケードストレイン〔Lilium candidum cv.Cascade Strain〕
純白色が特徴的なマドンナリリーは
紀元前からギリシャ人やエジプト人によって神聖のシンボル、
及び薬用として栽培され、キリスト教では処女マリアのシンボルとされ、
儀式や祭日の聖花として使用されてきました。
又、美術的なモチーフとしても使用され、
紀元前1500年頃に建設された
ギリシアのクレタ島にあるクノッソス宮殿の壁画には
かなり正確なマドンナリリーが描かれています。
イトハユリ〔Lilium pumilum〕
ワックスがかかった様な光沢のある朱色の花で、
中国北部~東部シベリアに分布する寒地性のユリです。
マツバユリ〔Lilium cermum〕
ピンクがかった薄紫の花を咲かせる、
朝鮮半島、沿海州、アムール川支流ウスリー川流域に自生するユリです。
イトハユリ・マツバユリ共に花弁が反り返って下を向く(手鞠形)花形が特徴です。
展示してあるユリは今週末迄が見頃なのでお早めに!!